理系大学院生の研究室生活は忙しい?通常時12時間・繁忙期18時間の現実

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理系大学院生の研究室生活は忙しいのか。

この疑問に対して、きれいごとだけで答えるなら「研究室によります」で終わります。

実際、それは間違いではありません。コアタイムがない研究室もあれば、昼前に来て夕方に帰れる研究室もあります。逆に、朝から夜まで研究室にいて、発表前には日付が変わっても帰れないような研究室もあります。

ただ、私の本音を先に書くと、理系大学院生の研究室生活は、時間・お金・メンタルをかなり削られます。

私は通常時でも研究室に1日12時間ほど滞在し、繁忙期には18時間近く研究室にいたこともあります。もちろん、すべての大学院生がそうなるわけではありません。それでも、研究室に入る前の「大学院生って自由そう」というイメージとはかなり違いました。

この記事では、理系大学院生の1日のスケジュール、研究室で何をしているのか、生活費やバイトの現実、研究室選びで見ておくべきポイントを、できるだけ本音で書きます。

これから研究室配属を迎える人、大学院進学を考えている人には、少し重く感じる内容かもしれません。

でも、怖がらせたいわけではありません。進学するなら、現実を知ったうえで選んだ方がいい。そして、もし合わなかったとしても、人生はそこで終わりではありません。

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先に結論:理系大学院生の研究室生活は「忙しい時期」と「削られるもの」を知っておくべき

理系大学院生の研究室生活を一言で表すなら、忙しさに波がある生活です。

毎日ずっと地獄というわけではありません。比較的落ち着いている時期もあります。研究室によっては、自由時間を確保しながら研究できる人もいると思います。

ただし、発表前、実験が詰まっている時期、修論前、学会前になると一気に生活が研究中心になります。

  • 朝から研究室に行く
  • 実験が終わらない
  • データ解析が終わらない
  • 先生への報告資料を作る
  • 説明が通らず作り直す
  • 帰宅が深夜になる

こういう生活が普通に発生します。

そして、研究室生活で削られるのは時間だけではありません。

  • 自由時間
  • 体力
  • メンタル
  • 生活費
  • バイトできる時間
  • 就活に使える余力

研究室生活は、研究が好きかどうかだけで乗り切れるものではありません。

研究内容に興味があっても、環境が合わなければ普通にきついです。逆に、研究内容が少し想像と違っても、研究室の雰囲気や指導体制がよければ何とかなる場合もあります。

理系大学院生の1日のスケジュール

まずは、私が経験した理系大学院生の1日のスケジュールを紹介します。

もちろん、研究分野や研究室によって違います。化学、生物、材料系のように実験設備に縛られる分野と、情報系のようにPC中心で進められる分野では、研究室に行く頻度も変わります。

そのうえで、私の感覚に近いスケジュールを書きます。

通常時のスケジュール:まだマシな時期

時間内容
7:00起床。本当は朝に自分の時間を作りたい
9:00登校・研究室到着
9:00〜12:00実験、論文確認、データ整理
12:00〜13:00昼食。研究の進捗次第では短くなる
13:00〜18:00実験、解析、次の実験準備、ゼミ資料作成
18:00〜21:00報告資料の修正、追加実験、先生への相談準備
21:00帰宅
24:00就寝

これで研究室滞在時間は約12時間です。

社会人から見ると「普通では?」と思う人もいるかもしれません。でも、大学院生は給料をもらっているわけではありません。むしろ授業料を払っている立場です。

お金を払って、12時間研究室にいる。

この感覚は、研究室に入る前にはあまり想像できませんでした。

繁忙期のスケジュール:発表前・修論前・実験が詰まった時期

時間内容
6:00起床
8:00登校・研究室到着
8:00〜12:00実験、前日のデータ確認、追加条件の検討
12:00〜13:00昼食。ゆっくり食べた記憶はあまりない
13:00〜19:00実験、解析、ゼミ資料作成、学会資料作成
19:00〜24:00データ整理、先生への説明準備、スライド修正
26:00帰宅
27:00就寝

この時期になると、研究室滞在時間は18時間近くになります。

ここまで来ると、研究というより生活そのものが研究室に吸い込まれます。

「今日は何をしたのか」と聞かれても、うまく答えられない日があります。ずっと実験していた。ずっと解析していた。ずっと資料を直していた。でも、進んだ気がしない。

研究室生活がしんどいのは、長時間いることだけではなく、長時間いても成果が出るとは限らないことです。

研究室は毎日行くべきなのか

検索する人が気になるのは、ここだと思います。

「研究室って毎日行くの?」

結論から言うと、研究室によります。

ただし、理系の研究室では、毎日のように研究室へ行く生活になる可能性は十分あります。

毎日行く可能性が高い研究室

  • 実験設備を使う必要がある
  • コアタイムがある
  • 先生が研究室滞在を重視する
  • ゼミや進捗報告が頻繁にある
  • 先輩や同期も毎日来る空気がある

実験系の研究室だと、装置や試薬、サンプルの都合で研究室に行かないと何も進まないことがあります。

また、明文化されたコアタイムがなくても、実質的に「毎日来るのが普通」という空気の研究室もあります。これが地味にきついです。

毎日行かなくても進む研究室

  • PC中心で研究できる
  • 解析やプログラミングが中心
  • 先生が成果重視
  • コアタイムがない
  • オンラインで相談しやすい

こういう研究室なら、毎日研究室に行かなくても進む場合があります。

ただし、毎日行かなくていいから楽とは限りません。家で研究できるということは、逆に言えば生活と研究の境目が消える可能性もあります。

研究室に毎日行くかどうかより、自分の時間をどこまで守れる環境かを見た方がいいです。

研究室では何をしているのか

理系大学院生が毎日研究室にいて、何をしているのか。

外から見ると、かなり分かりにくいと思います。

研究室生活は、ざっくり言えば次の繰り返しです。

  • 考える
  • 実験する
  • 解析する
  • 報告する
  • 指摘される
  • また考える

このループが終わりません。

1. どうすれば目的を達成できるか考える

研究で一番きついのは、個人的にはここです。

実験そのものよりも、何をすればよいかを自分で考える時間の方がしんどいです。

学部の授業なら、問題が与えられます。試験なら、解くべき問題があります。学生実験なら、手順書が用意されています。

でも、研究は違います。

目的はあっても、正解のルートはありません。

論文を読み、仮説を立て、方法を考え、先生に説明する。そして、だいたい指摘されます。

「なぜその条件なのか」

「それで何が分かるのか」

「先行研究との差は何か」

こういう質問に答えられないと、また考え直しです。

私はここでかなりメンタルを削られました。

研究室生活の忙しさは、手を動かす作業量だけではありません。頭の中でずっと研究が終わらないことがきついです。

2. 実験する

方針が決まったら、実験で検証します。

ここは研究っぽくて、うまくいくと楽しい瞬間もあります。

ただし、大学の学生実験のように決められた時間で終わるとは限りません。条件出しだけで時間が溶けることもあります。装置が空いていないこともあります。サンプルがうまく作れないこともあります。

実験は、予定通りに進まない前提で考えた方がいいです。

3. データを解析する

実験したら終わりではありません。

むしろ、実験後の解析からが本番です。

  • データを整理する
  • グラフを作る
  • 傾向を見る
  • 仮説と合っているか確認する
  • 失敗なら原因を考える
  • 次の実験条件を決める

思った通りの結果が出ればまだいいです。

一番つらいのは、何が悪いのか分からないまま、結果だけ微妙なときです。

失敗なら失敗で、原因が分かれば次に進めます。でも、原因が分からないと、ただ時間だけが消えていきます。

4. ゼミや学会で報告する

研究は、自分が分かっただけでは終わりません。

他人に分かるように説明して、初めて研究として扱われます。

研究室内のゼミ、進捗報告、学会発表、卒論、修論。

この発表準備がかなり重いです。

スライドを作る。グラフを整える。説明の順番を考える。想定質問を考える。先生に見せる。直す。また見せる。また直す。

私は、研究そのものよりも、説明する段階で苦しんだ記憶があります。

研究は「データが出た」で終わりではなく、「他人に伝わる形にできた」でようやく一段落です。

理系大学院生はバイトできるのか

バイトできるかどうかも、研究室によります。

ただ、私の感覚では、研究室生活が本格化すると、バイトはかなりしにくくなります。

理由は単純です。

研究の予定が読めないからです。

  • 実験が長引く
  • 先生から急に資料修正を求められる
  • ゼミ前に準備が終わらない
  • 学会前にスライド修正が入る
  • 結果が出ずに追加実験が必要になる

こうなると、固定シフトのバイトはかなりきついです。

もちろん、研究しながらバイトしている人はいます。深夜バイトをしている人もいます。

でも、全員が真似できる生活ではありません。

研究室生活とバイトを両立するには、体力とメンタルが必要です。普通の人が無理に詰め込むと壊れます。

大学院進学を考えているなら、進学後に生活費をどうするかは早めに考えた方がいいです。

  • 奨学金を借りるのか
  • 貯金で補うのか
  • 親に相談できるのか
  • TAやRAの収入があるのか
  • 短時間でできるバイトを探すのか

研究が始まってから生活費で詰むと、本当に苦しいです。

研究室生活と就活は両立できるのか

理系大学院生は、研究だけしていればよいわけではありません。

多くの人は就活もあります。

これがまた大変です。

研究室では成果を出せと言われる。就活では自己分析、ES、面接、企業研究が必要になる。先生への報告もある。学会準備もある。

正直、全部を完璧にやるのはかなり厳しいです。

だからこそ、就活は早めに情報を集めた人が強いです。

研究と就活の両立については、「就活は情報を早く集めた人が勝つ|オンライン時代に地方大学生が不利を減らす方法」で別にまとめています。

就活は情報を早く集めた人が勝つ|オンライン時代に地方大学生が不利を減らす方法
オンライン就活が当たり前になった今、地方大学生が不利を減らす方法を実体験ベースで解説。情報収集、面接準備、研究との両立まで紹介します。

研究室生活が忙しくなってから就活を始めると、かなり後手に回ります。

大学院に進学するなら、研究テーマだけでなく、就活の時期も見越して動いた方がいいです。

研究室生活がきつくなる一番の原因は「環境」

理系大学院生の忙しさは、本人の努力だけではどうにもならない部分があります。

一番大きいのは、研究室の環境です。

私は、研究室選びでは研究内容よりも環境を重視した方がいいと思っています。

もちろん、研究内容も大事です。

でも、どれだけ興味のある分野でも、環境が悪いと続きません。

  • 先生の指導方針
  • コアタイムの有無
  • 先輩の雰囲気
  • 卒業・修了までの実績
  • 学生の帰宅時間
  • 土日の研究室の様子
  • 成果が出ないときのフォロー

こういう部分を見ずに研究内容だけで選ぶと、後悔する可能性があります。

研究内容だけで選ぶ危険性は、別記事「研究室選びで一番考慮することは学びたい分野ではなく、研究環境です!!」でも詳しく書いています。

研究室選びで一番考慮することは学びたい分野ではなく、研究環境です!!
研究室選びで後悔する人は「研究内容」で決めがち。でも最優先は研究環境です!! コアタイム、指導教員の教える意欲、研究費の投資で地獄回避する判断軸を解説。

研究室生活は、努力で全部を乗り切れるほど甘くありません。環境選びも実力のうちです。

ブラック研究室は配属前にある程度見抜ける

ブラック研究室は、入ってから気づくとかなりきついです。

だから、配属前にできるだけ情報を集める必要があります。

見るべきポイントは、研究テーマのかっこよさではありません。

  • 夜遅くまで電気がついていないか
  • 土日に学生が来ていないか
  • 学生数が不自然に減っていないか
  • 先輩が疲れ切っていないか
  • 先生との会話で学生が萎縮していないか
  • 卒業・修了できている人がいるか
  • 先輩の話に矛盾がないか

研究室見学では、きれいな説明だけ聞いて終わらない方がいいです。

できれば、複数の先輩に話を聞いた方がいいです。先生がいる場では言えないこともあります。

ブラック研究室の危険サインを配属前に確認したい人は、「ブラック研究室の見分け方|配属前に調べる方法と危険な特徴」も読んでおくと判断しやすいです。

ブラック研究室の見分け方|配属前に調べる方法と危険な特徴
ブラック研究室は配属前に見抜けます。先輩からの聞き取りで矛盾を潰す方法、嘘が出る理由、学生数減少・夜遅い電気など危険サインを解説。

研究室は、入ってから頑張る場所ではあります。でも、入る前に避けられる地雷は避けた方がいいです。

研究室ガチャを減らしたいなら成績は大事

研究室選びで忘れてはいけないのが、成績です。

人気の研究室は、希望者が集中します。

そして、大学によっては成績順で配属が決まります。

つまり、成績が低いと、行きたい研究室を選べない可能性があります。

これを「研究室ガチャ」と呼ぶ人もいますが、完全な運ではありません。

学部1〜3年の成績で、選択肢を増やせる場合があります。

研究室配属と成績の関係は、「研究室配属で後悔したくないなら、学部3年までに成績を上げろ!!」で詳しく書いています。

研究室配属で後悔したくないなら、学部3年までに成績を上げろ!!
研究室配属は成績(GPA)でほぼ決まる。希望の研究室に行けないと不人気研究室に流れるリスクも。配属で“見られる科目”を特定し、効率よく成績を上げる戦略を解説。

研究室生活で後悔したくないなら、配属直前ではなく、学部の早い段階から準備した方がいいです。

大学院進学は目的と逃げ道をセットで考える

ここまで読んで、「大学院はやめた方がいいのか」と思った人もいるかもしれません。

私の答えは、全員にやめろとは思いません。

大学院で得られるものもあります。

  • 専門性
  • 研究経験
  • 論理的に考える力
  • 発表経験
  • 資料作成力
  • 就職時の選択肢

ただし、目的が曖昧なまま進学すると、かなり危険です。

「就活したくないから」

「みんな院に行くから」

「理系なら院進が普通だから」

このくらいの理由で進むと、研究室生活がきつくなったときに踏ん張る理由がなくなります。

だから、進学前に考えてほしいことがあります。

  • なぜ大学院に行くのか
  • 研究にどこまで時間を使えるのか
  • 生活費はどうするのか
  • 就活はいつから動くのか
  • 限界が来たときに誰に相談するのか
  • 無理だったときにどう撤退するのか

大学院進学は、目的と逃げ道をセットで考えた方がいいです。

逃げ道という言葉に、後ろ向きな印象を持つ人もいるかもしれません。

でも、私はそうは思いません。

逃げ道があるから、挑戦できます。

逃げ道がない状態で研究室に入ると、合わなかったときに自分を追い込みます。

研究室で失ったものや、そこから考えたことは「ブラック研究室を修了した私が大学院で学んだこと|得たものより失ったものが大きかった」にも残しています。

ブラック研究室を修了した私が大学院で学んだこと|得たものより失ったものが大きかった
ブラック研究室で修士課程を修了した筆者が、大学院の研究室生活で学んだことを本音で解説します。専門知識、忍耐力、失った時間や健康、大学院進学の判断基準、逃げても人生は終わらない理由を実体験ベースで紹介します。

失敗してもやり直せます。でも、壊れるまで我慢する必要はありません。

理系大学院生の研究室生活に向いている人

ここまで厳しいことを書きましたが、研究室生活に向いている人もいます。

  • 分からないことを考え続けるのが苦ではない人
  • 成果が出ない時間に耐えられる人
  • 自分で計画を立てて動ける人
  • 先生や先輩に相談できる人
  • 研究内容に一定以上の興味がある人
  • 就活や生活費も含めて現実的に考えられる人

研究室生活は、言われたことだけやれば終わる世界ではありません。

自分で考えて、動いて、失敗して、直す。

この繰り返しです。

私は、仕事でもプライベートでも「まず行動して、間違っていたら直せばいい」と考えることがあります。

研究も、ある意味ではそれに近いです。

ただし、研究室の場合は、間違いが続くとメンタルに来ます。

だからこそ、向いているかどうかだけでなく、環境が合っているかも大事です。

理系大学院生の研究室生活に向いていない人

逆に、次のような人は慎重に考えた方がいいです。

  • 自由時間をかなり重視したい人
  • 成果が見えない作業が苦手な人
  • お金の不安が強い人
  • 先生や先輩に相談するのが苦手な人
  • 指示がないと動きにくい人
  • 進学理由が「なんとなく」しかない人

私自身、自由時間をかなり大事にする人間です。

だから、研究室生活で時間が削られることはかなりきつかったです。

研究が嫌いだったというより、生活の主導権を研究室に持っていかれる感覚がしんどかったのだと思います。

大学院に進むかどうかは、能力だけでなく、自分の価値観との相性で考えた方がいいです。

まとめ:研究室生活は忙しい。だからこそ進学前に現実を見てほしい

理系大学院生の研究室生活は、忙しいです。

もちろん、全員が毎日深夜まで研究するわけではありません。研究室によって忙しさは大きく違います。

それでも、通常時で1日12時間、繁忙期で18時間近く研究室にいるような生活は、現実にあります。

研究室生活のきつさは、単なる作業量ではありません。

  • 成果が出ない
  • 説明が通らない
  • 予定が崩れる
  • 生活費が不安になる
  • 就活との両立に悩む
  • 自由時間が削られる

こういう複数の負荷が重なるから、しんどいのです。

だからこそ、進学前に考えてください。

  • なぜ大学院に行くのか
  • 研究室の環境は合っているか
  • 生活費はどうするか
  • 就活はいつから動くか
  • 限界が来たときの逃げ道はあるか

大学院進学は、研究内容だけで決めない方がいいです。

研究室生活は、自分の時間・お金・メンタルをどこまで使えるかまで含めて判断した方がいいです。

それでも進学したいと思えるなら、きっと得られるものはあります。

でも、もし途中で違うと思ったとしても、それで人生が終わるわけではありません。

失敗してもやり直せます。

大事なのは、何となく流されることではなく、自分の判断基準を持って選ぶことです。

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