大学生のときに奨学金を借りた人が、社会人になって最初に現実を感じる瞬間があります。
それは、返済が始まるときです。
私も学生時代に奨学金を借りていました。そして社会人になってから、毎月2万円ほど返済する生活が始まりました。
きれいごとを言えば、「学生時代に助けてもらったから、次は後輩のために返したいです」と言えるのかもしれません。
でも、正直に言います。
できればお金は返したくないです。
これは本音です。若い頃の自分が使ったお金だと分かっていても、毎月自由に使えるお金が減るのは気持ちのいいものではありません。
それでも私は、奨学金を完全に否定する気にはなれません。
奨学金は借金です。けれど、必要なら借りてでも学生時代の時間を守る価値はあると思っています。
この記事では、奨学金を返済している社会人の立場から、奨学金を借りるべきか、何に注意すべきか、そして借りたお金をどう考えるべきかを本音で書きます。
奨学金は借金です。まずここはごまかさない
最初に大事なことを書きます。
奨学金は借金です。
名前に「奨学」とついているので、少しやわらかく聞こえます。でも貸与型の奨学金であれば、卒業後に返済する必要があります。
社会人になると、給料から家賃、食費、通信費、保険、税金、趣味のお金など、いろいろな支出が出ていきます。
そこに奨学金の返済が加わります。
私の場合は、月に2万円ほど返済する必要がありました。
もちろん、フルタイムで働いていれば、月2万円だけで生活が破綻するわけではありません。
でも、毎月2万円あれば、できることはあります。
- 少し良い食事ができる
- 本を買える
- 旅行の積立に回せる
- ガジェット購入の資金にできる
- 貯金や投資に回せる
そう考えると、返済が始まったときに「重いな」と感じるのは自然です。
奨学金を借りる前に、「これは将来の自分が返すお金だ」と理解しておくことは絶対に必要です。
それでも、私は奨学金を借りたことを完全には後悔していない
返済は正直めんどうです。
できれば返したくありません。
でも、私は奨学金を借りたことを完全には後悔していません。
理由は、学生時代に自由な時間を作れたからです。
私は学生時代、自分のために時間を使いたかったので、アルバイトをほとんどしませんでした。
社会人になった今振り返ると、いろいろなアルバイト経験をしておけばよかったと思う部分もあります。
接客、塾講師、工場、イベントスタッフなど、学生時代にしか経験しにくい仕事もあります。そういう経験から学べることも多いはずです。
ただ、当時の私は、アルバイトで時間を埋めるよりも、自分の勉強や大学生活に時間を使いたいと思っていました。
大学生、とくに研究室に入る前の時期には、社会人よりも自由に使える時間があります。
その時間をどう使うかで、大学生活の意味はかなり変わります。
お金がないからという理由だけで、貴重な大学生活がアルバイトだけで終わってしまうのは、私はもったいないと思います。
奨学金で買えるのは「遊ぶお金」ではなく「時間」だと思う
奨学金を借りるときに考えたいのは、「いくら借りるか」だけではありません。
借りたお金で、どんな時間を作るのか。
ここが一番大事だと思います。
もちろん、生活費や学費のために必要だから借りる人も多いです。家庭の事情で、奨学金がないと進学自体が難しい人もいると思います。
その場合、奨学金は進学のための大事な手段です。
一方で、奨学金を借りたことでアルバイト時間を減らせるなら、その空いた時間をどう使うかを考える必要があります。
- 授業にしっかり出る
- 資格や専門分野の勉強をする
- 研究や卒論に時間を使う
- 就職活動の準備をする
- 読書や旅行など、自分の視野を広げる経験をする
- 何もしない時間を通じて、自分の進路を考える
私は、奨学金は「自由なお金」というより、自由な時間を作るための道具だと思っています。
だから、奨学金を借りてただ浪費するだけならおすすめしません。
でも、お金がないせいで大学生活のほとんどがアルバイトになるくらいなら、必要な範囲で奨学金を使う選択はありだと思います。
「奨学金を借りる=悪」ではない。でも借りすぎは危険
奨学金については、極端な意見になりやすいです。
「借金だから絶対に借りるな」という意見もあります。
逆に、「低金利だから借りた方がいい」という意見もあります。
私はどちらか一方に寄せる必要はないと思っています。
奨学金は悪ではありません。ただし、何も考えずに借りていいものでもありません。
特に注意したいのは、必要以上に借りすぎることです。
学生時代は、毎月振り込まれるお金があると安心します。でも、そのお金は将来の自分が返すものです。
月数万円の違いでも、卒業まで積み上がると大きな金額になります。
借りる前に、次のことは考えた方がいいです。
- 学費と生活費に本当に必要な金額はいくらか
- アルバイトで無理なく補える金額はいくらか
- 卒業後の返済額は毎月いくらになるか
- 返済しながら一人暮らしできるか
- 体調を崩したり、転職したりした場合も耐えられるか
借りられる金額ではなく、返せる金額で考えることが大切です。
奨学金を借りてもいい人
私の考えでは、奨学金を借りてもいい人は次のような人です。
- 奨学金がないと進学が難しい人
- 学費や生活費の不足分を補いたい人
- アルバイトを減らして、勉強や研究に時間を使いたい人
- 借りたお金を何に使うか、ある程度考えられる人
- 卒業後に返済する覚悟を持てる人
特に、進学そのものをあきらめるくらいなら、奨学金を検討していいと思います。
大学に行けば必ず人生が良くなるとは言いません。
でも、学びたいことがあるのに、お金だけを理由にあきらめるのはもったいないです。
奨学金は、失敗してもやり直せる可能性を残すための選択肢にもなります。
もちろん、借りた後の返済は現実です。
それでも、進学して得られる時間、経験、人との出会い、考える機会は、お金だけでは測れない部分があります。
奨学金をおすすめしにくい人
一方で、奨学金をおすすめしにくい人もいます。
- 借金という意識がほとんどない人
- 生活費ではなく遊び目的で大きく借りようとしている人
- 返済シミュレーションをまったく見ていない人
- 進学目的がかなり曖昧な人
- すでに他の借金や支払いで苦しい人
進学目的が曖昧でも、大学に入ってから見つかることはあります。
だから「目的がないなら大学に行くな」とまでは言いません。
でも、奨学金を大きく借りるなら、せめて「大学生活で何を試したいのか」は考えておいた方がいいです。
何となく借りて、何となく使って、社会人になってから返済だけが残る状態は避けた方がいいです。
返済が始まると、想像以上に現実感がある
学生時代に奨学金を借りているときは、返済のことを頭では分かっていても、どこか遠い話に感じます。
でも社会人になって、実際に口座から引き落とされるようになると、一気に現実になります。
私も、月2万円ほどの返済が始まったとき、「ああ、本当に返していくんだな」と思いました。
生活ができないほどではありません。
でも、自由に使えるお金が確実に減ります。
そのときに、学生時代の自分の使い方に納得できるかどうかは大きいです。
私の場合は、アルバイトだけで大学生活を終わらせず、自分のために時間を使えたと思っているので、返済には納得しています。
返したくはないです。
でも、納得はしています。
この違いは大きいです。
奨学金を借りるなら、将来の自分が「まあ、あの時間のためなら仕方ない」と思える使い方をした方がいいです。
返済が苦しいときは、放置しない
奨学金の返済が苦しくなったときに、一番やってはいけないのは放置です。
仕事を辞めた、収入が減った、病気になった、家計が苦しいなど、返済が難しくなることはあります。
そのときは、早めに公式情報を確認してください。
日本学生支援機構では、奨学金の返還に関する手続き、返還が難しくなった場合、地方公共団体の返還支援制度、企業等の奨学金返還支援制度などが案内されています。
制度の対象になるかどうかは人によって違います。
勤務先や住んでいる自治体によって、返還支援制度がある場合もあります。
返済が苦しいと感じたら、精神論で耐える前に、公式の制度を確認することが大切です。
参考として、日本学生支援機構の公式ページも確認しておくとよいです。

奨学金を借りる前に考えたい判断基準
奨学金を借りるか迷っているなら、私は次の順番で考えるのがいいと思います。
- 進学や学生生活に本当に必要なお金を出す
- 家族から支援を受けられる金額を確認する
- 無理なくできるアルバイト時間を考える
- 不足分だけ奨学金を検討する
- 卒業後の毎月返済額を確認する
- 借りたお金で作った時間を何に使うか考える
ここで大事なのは、最初から「満額借りる」と決めないことです。
必要な金額を考えたうえで、不足分を補う形にした方がいいです。
そしてもう一つ。
奨学金を借りて作った時間を、何に使うかを考えることです。
勉強でも、研究でも、就活でも、読書でも、旅行でも、自分と向き合う時間でもいいと思います。
大事なのは、将来の自分が納得できる使い方をすることです。
大学生活のお金は、奨学金だけで考えない
大学生活では、学費以外にもお金がかかります。
一人暮らしをするなら、家具や家電、家賃、食費、交通費も必要です。
パソコンも必要になることが多いです。
ただ、何でも最初から完璧にそろえる必要はありません。
一人暮らしの準備やパソコン選びは、必要なものと後回しでいいものを分けて考えた方がいいです。

必要なら借りてもいい。でも、借りたお金で作った時間を、自分のためにちゃんと使ってほしいです。
失敗しても、遠回りしても、考え直してやり直すことはできます。
奨学金を借りるか迷っている人は、「借金だから怖い」で止まるのではなく、「そのお金でどんな時間を作りたいのか」まで考えてみてください。



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