大学受験や定期試験の勉強で、問題集や過去問を使う人は多いと思います。
ただ、問題集は使い方を間違えると、時間をかけたわりにあまり身につきません。
結論から言うと、問題集は「解いて終わり」でも「赤ペンで答えを丸写しして終わり」でもなく、自分が解けない問題を見つけて、後日もう一度解けるようにするための道具です。
私は受験勉強を振り返ると、問題集や過去問の使い方が甘かったと思っています。
苦手科目は分かっていたつもりでした。でも、苦手科目の中でも「どの分野が苦手なのか」までは見えていませんでした。
英語や国語では時間が足りず、模試で大問1つ分を読まずに30点くらい捨てることもありました。
今思うと、問題集を解くこと自体よりも、解いた後に自分の弱点を分析する力が足りなかったのだと思います。
この記事では、大学受験や高校の定期試験で問題集・過去問をどう使えばよいのか、浪人経験者の反省も含めて本音で書いていきます。
学校で教えられた問題集の使い方は、かなりもったいない
まず、私が学校でよく見てきた問題集の使い方は、次のような流れでした。
- 問題集に直接書き込んで問題を解く
- 解答を見て答え合わせをする
- 間違えたところは赤ペンで解答を写す
- 提出して終わり
もちろん、提出物としてはこれで形になります。
先生から見れば、問題を解いた形跡もあり、赤ペンで直しもしているので、ちゃんとやっているように見えます。
ただ、受験勉強として考えると、このやり方はかなりもったいないです。
特に意味が薄いのは、間違えた問題の解答を赤ペンで丸写しして満足することです。
解答を写している時間は、手を動かしているので勉強している気分になります。
でも、頭の中ではあまり考えていないことも多いです。
なぜ間違えたのか。どこで考えがズレたのか。そもそも知識が足りなかったのか。時間が足りなかったのか。
そこを見ないまま解答だけ写しても、次に同じ問題や似た問題が出たときに解けるとは限りません。
問題集は、赤ペンで埋めて「ちゃんとやりました」と見せるためのものではありません。
自分が解けない問題を見つけて、1つずつ潰していくためのものです。
問題集を解く目的は「提出」ではなく「弱点を見つけること」
問題集を解く目的は、大きく分けると2つあります。
- 自分が理解している内容と、理解していない内容を分けること
- 理解していない内容を、次に自力で解ける状態まで持っていくこと
この2つを意識しないと、問題集はただの作業になります。
学校の課題として提出するためだけに問題集を解くなら、たしかに評価は上がるかもしれません。
でも、受験本番で助けてくれるのは、提出した問題集の冊数ではありません。
本番で助けてくれるのは、自分で解き直して「これはもう解ける」と言える問題の数です。
私も受験生の頃は、もっと参考書や問題集を増やせば安心できると思っていた時期がありました。
しかし、今なら問題集を増やすより、今ある問題集を使い切る方が大事だと思います。
参考書を増やしすぎる不安については、大学受験の参考書は学校の問題集と過去問で十分|買いすぎる前に考えてほしいことでも本音で書いています。

問題集は、新しいものを買った瞬間が一番気持ちいいです。
でも、成績が伸びるのは買った瞬間ではなく、解けなかった問題を解けるようにした瞬間です。
問題集は直接書き込まず、ノートに解く
私がおすすめする問題集の使い方は、問題集に直接書き込まず、ノートに解く方法です。
理由は単純です。
問題集は一度解いて終わりではなく、何度も解き直すために使うからです。
直接書き込んでしまうと、2回目に解くときに自分の前回の答えが見えてしまいます。
数学なら途中式が残りますし、英語や国語でも選んだ選択肢やメモが見えてしまいます。
それでは、本当に自力で解けたのか分かりにくくなります。
準備するものは、特別なものではありません。
- 問題集
- ノートまたはルーズリーフ
- シャープペンシル
- 赤ペン
- 青ペン
- 必要なら緑ペン
文房具にこだわりすぎる必要はありません。
個人的には、受験用の文房具もたくさん持ちすぎない方がいいと思っています。
勝負鉛筆と消しゴムを決めて、使い切るまで慣れるくらいで十分です。
勉強でも文房具でも、選ぶリソースを減らすことは意外と大事です。
迷う時間が減ると、問題を解く方に集中しやすくなります。

問題集の具体的な使い方
1. まずは自力で解けるところまで解く
最初に、問題をノートに解きます。
このとき大事なのは、最初からすぐに解答を見ないことです。
分からない問題に出会うと、すぐ答えを見たくなります。
でも、そこで少し粘ることで、自分がどこで止まっているのかが見えてきます。
ただし、何十分も止まり続ける必要はありません。
目安としては、手が止まって3分くらい考えても何も進まないなら、一度解答を見てよいと思います。
大事なのは、答えを見ないことではありません。
自分がどこまで考えられて、どこから考えられなかったのかを知ることです。
2. 答え合わせで一喜一憂しない
問題を解いたら答え合わせをします。
ここで、正解だった、不正解だったと一喜一憂する必要はありません。
もちろん、正解したらうれしいですし、間違えたら悔しいです。
でも、本当に大事なのはその後です。
間違えた問題は、点数を落とした問題ではなく、伸びしろが見つかった問題です。
間違えたら、次のように原因を分けて考えます。
- 知識を覚えていなかった
- 公式や文法は知っていたが使えなかった
- 問題文の読み取りを間違えた
- 計算ミスをした
- 時間が足りずに焦った
- 似た選択肢で迷った
この原因を一言でノートに書いておくと、後で見直すときにかなり役立ちます。
たとえば、数学なら「平方完成で止まった」、英語なら「関係代名詞の修飾先を見失った」、国語なら「選択肢を本文に戻して確認していない」のような感じです。
解答を丸写しするより、間違えた理由を一言で書く方が価値があります。
3. 間違えた問題には印をつける
間違えた問題には、問題集側に印をつけます。
1回目に間違えたら赤、2回目も間違えたら青、3回目も間違えたら緑のように、色を変えておくと分かりやすいです。
印をつける目的は、問題集を汚すことではありません。
自分の弱点マップを作るためです。
何度も間違える問題は、たまたまではありません。
その分野の理解が浅いか、解き方の型が身についていない可能性があります。
何度も間違えた問題ほど、受験本番で点数を落とす危険がある問題です。
逆に言えば、そこを潰せば点数が伸びる可能性があります。
4. 後日、間違えた問題だけをもう一度解く
答え合わせをした直後は、解説を読んだばかりなので理解した気になります。
でも、それだけではまだ危ないです。
本当に理解したかどうかは、後日もう一度解けるかで判断するべきです。
翌日でも、数日後でもよいので、間違えた問題だけをもう一度ノートに解きます。
解けたら、その問題は一旦クリアです。
解けなければ、もう一度原因を確認します。
この繰り返しで、問題集を少しずつ自分のものにしていきます。
派手な勉強法ではありません。
でも、受験勉強で一番強いのは、こういう地味な反復だと思います。
私の失敗は「苦手科目」までは分かっても、苦手分野まで見えていなかったこと
私は受験勉強を振り返ると、苦手科目をざっくり見すぎていたと思います。
「英語が苦手」
「国語が苦手」
「数学が不安」
このくらいの認識で止まっていました。
でも、それでは対策が雑になります。
英語が苦手といっても、単語なのか、文法なのか、長文の時間配分なのか、設問の読み方なのかで対策は変わります。
国語が苦手といっても、現代文の選択肢なのか、古文単語なのか、漢文の句法なのかでやることは違います。
私の場合、特に国語と英語は時間が足りず、模試で大問1つ分を読まずに30点くらい捨てることもありました。
これは、単に知識が足りなかっただけではありません。
時間配分、読む順番、捨て問の判断、問題演習後の分析が足りなかったのだと思います。
現役で志望校に落ちた後の考え方については、現役で志望校に落ちたら浪人すべきか?浪人経験者が反対する理由でも書いています。

浪人すればすべて解決するわけではありません。
大事なのは、勉強時間を増やすことだけではなく、失点の原因を具体的に見ることです。
今ならAIを使って「なぜ間違えたか」を言語化する
今の受験生がうらやましいと思うことがあります。
それは、AIを使って自分の弱点を整理できることです。
もちろん、AIに答えだけを聞いて丸写しするのはおすすめしません。
それでは、昔の赤ペン丸写しとあまり変わりません。
AIは答えを出してもらう道具ではなく、自分がどこでつまずいているかを言語化するために使うのがよいと思います。
たとえば、問題を解いた後に次のように聞く使い方です。
- この問題で私が間違えた理由を、知識不足・読み違い・計算ミス・時間不足に分けて整理して
- この解法のどこが重要なのか、中学生にも分かるように説明して
- 同じ考え方で解く類題を3問作って
- この英文で主語と動詞を抜き出して、どこで文構造を見失いやすいか教えて
- この現代文の選択肢で、なぜその選択肢が違うのか本文に戻って説明して
こういう使い方なら、AIはかなり役立つと思います。
昔の私なら、苦手分野を紙で統計を取るのは難しかったと思います。
でも今なら、間違えた問題の原因をAIに整理してもらい、自分の弱点の傾向を見つけやすくなります。
ただし、AIの説明をそのまま信じるのではなく、最後は必ず自分で問題集や解答に戻って確認してください。
AIは便利ですが、受験本番で問題を解くのは自分です。
過去問は「本番の時間感覚」を体に覚えさせるために使う
問題集と過去問は、少し役割が違います。
問題集は、分野ごとの理解を深めるために使います。
過去問は、本番形式で自分がどう崩れるかを確認するために使います。
過去問で見るべきなのは、点数だけではありません。
- どの大問に時間を使いすぎたか
- 最後まで解き切れたか
- 焦ったときに読み飛ばしが増えなかったか
- 解けるはずの問題を落としていないか
- 苦手分野が毎回同じではないか
私は英語や国語で時間が足りなかった経験があるので、過去問演習の時間感覚は本当に大事だと思います。
本番で急に速く読めるようにはなりません。
本番で急に冷静に判断できるようにもなりません。
だからこそ、過去問を使って「どこで時間を失うのか」を早めに確認しておく必要があります。
試験当日の平常心については、試験日当日は普段通りでいい|大学受験で平常心を保つための本音アドバイスでも書いています。

過去問演習は、知識確認だけではなく、本番当日の自分を事前にシミュレーションするためのものです。
必要な人だけでいいですが、志望校が決まっているなら赤本を1冊だけ選んで、自分の現在地を確認するのはかなり有効です。
たとえば私のように、大学受験をやり直す視点で過去問に向き合いたい人は、志望校の赤本を1冊選んで「今の自分がどこで止まるのか」を確認する使い方がおすすめです。
ただし、赤本を買っただけでは成績は伸びません。
大事なのは、解いた後に時間配分と失点原因を確認することです。
問題集は最後まで完璧にできなくても、やり直す価値はある
問題集を使っていると、全部完璧にしないと意味がないと思うかもしれません。
もちろん、理想を言えばすべての問題を自力で解けるようにしたいです。
でも、受験勉強には期限があります。
部活、学校行事、定期試験、模試、出願、体調管理もあります。
だから、すべてを完璧にできないこともあります。
それでも、間違えた問題を1問でも解き直せるようにする価値はあります。
完璧主義になりすぎて、問題集を開くのが嫌になるくらいなら、今日間違えた問題を3問だけ解き直す方がいいです。
受験は、うまくいかないことの連続です。
思ったより点数が伸びないこともあります。
模試で失敗することもあります。
志望校判定で落ち込むこともあります。
それでも、間違えた問題を見直して、次に少しでもできるようにする。
この積み重ねが、最後に効いてくると思います。
国公立前期試験後の行動については、国公立大学前期試験が終わった受験生へ|油断せずにやるべきことと浪人判断でも書いています。

試験が終わった後でも、次の可能性が残っているなら、完全に止まらないことが大事です。
おすすめしない問題集の使い方
ここまでの内容を踏まえて、個人的におすすめしない問題集の使い方をまとめます。
- 問題集に直接書き込んで一度きりで終わる
- 間違えた問題の解答を赤ペンで丸写しして満足する
- 正解数だけ見て、間違えた理由を考えない
- 問題集を何冊も買って、どれも中途半端にする
- 過去問を点数確認だけで終わらせる
- AIに答えだけ聞いて、自分で考えたことにする
一番危ないのは、勉強した気分だけが残って、実際には解ける問題が増えていない状態です。
問題集を進めると、ページ数が進むので達成感があります。
赤ペンでノートが埋まると、頑張った感じも出ます。
でも、本当に大事なのは見た目ではありません。
次に同じような問題が出たときに、自力で解けるかどうかです。
まとめ:問題集は「自分の弱点を見つける道具」として使う
問題集や過去問は、ただ解くだけではもったいないです。
提出するためでも、赤ペンで埋めるためでもありません。
問題集は、自分の弱点を見つけて、次に解けるようにするための道具です。
おすすめの使い方は、次の流れです。
- 問題集に直接書き込まず、ノートに解く
- 自力で解けるところまで考える
- 答え合わせをする
- 間違えた理由を一言で書く
- 問題集に印をつける
- 後日、間違えた問題だけをもう一度解く
- 何度も間違える問題は、分野ごと復習する
このやり方は地味です。
でも、受験勉強においては、地味なことを続ける力がかなり大事です。
私自身、受験生の頃にもっと早く「苦手科目」ではなく「苦手分野」まで見られていたら、勉強の仕方は変わっていたと思います。
今ならAIも使えます。
間違えた理由を整理したり、類題を作ったり、英文や現代文の読み方を分解したりすることもできます。
ただし、最後に解くのは自分です。
問題集もAIも、主役は自分の頭で考えて、次にできるようにすることです。
失敗しても、やり直せます。
間違えた問題も、解き直せます。
受験勉強で大事なのは、できなかった自分を責めることではなく、できなかった理由を見つけて、次に少しでも前に進むことだと思います。



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