ブラック研究室から社会人になった2020年|自由時間を得ても動けなかった私の本音

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2020年は、私にとって大学院生から社会人へ切り替わった年でした。

ブラック研究室での生活を終え、定時で帰れて、自分で稼いだ給料を受け取れるようになりました。ようやく時間とお金の両方を手に入れたはずでした。

しかし、同じタイミングで新型コロナウイルスの感染が広がり、楽しみにしていた旅行には行けませんでした。自由時間が増えても、その時間を思うように使えず、「せっかく自由になったのに、私は何をしているのだろう」と自分を責めてもいました。

今振り返ると、2020年は何かを成し遂げた年ではなく、ブラック研究室で消耗した自分を休ませ、自由時間の大切さに気づいた年だったと思います。

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2020年は、大学院から社会人へ移った人生の転換点だった

2020年の大きな変化は、新型コロナウイルスだけではありません。

私自身も、3月に大学院を修了し、4月から社会人になりました。長かった学生生活が終わり、生活のリズム、お金の入り方、自由時間への考え方が一気に変わった年です。

変化したこと大学院生の頃社会人になった直後
時間帰宅時間が読めなかったほとんど定時で帰れた
お金授業料を払いながら研究働いた対価として給料を受け取れた
休日研究室の予定に左右された休日を自分で使えるようになった
気持ち早く抜け出したかった解放された安心感が大きかった

社会人になる不安より、研究室から抜け出せる安心感の方が大きかった。これが当時の正直な気持ちです。

修士論文の時期に、マスクと消毒液が店頭から消えた

2020年の初め、私は修士論文の執筆と研究成果の発表準備をしていました。

この時期に体調を崩すわけにはいかないと思い、インフルエンザ予防のためにマスクとアルコール消毒液を買いに行きました。しかし、薬局の棚はすっからかんでした。

当時の私はニュースをあまり見ておらず、新型コロナウイルスについて十分に理解していませんでした。そのため、「なぜ何もないのだろう」と衝撃を受けたことを覚えています。

その後、学校の休校、卒業式の中止、外出自粛と、生活は急速に変わっていきました。私の大学院修了と社会人生活の始まりは、社会全体が混乱している時期と重なりました。

ブラック研究室を修了し、やっと学生生活が終わった

私は2020年3月に大学院を修了しました。

本来なら、学生生活の終わりを寂しく感じたり、卒業旅行へ行ったりする時期なのかもしれません。しかし、私の場合は違いました。

大学4年生から大学院まで続いた研究室生活が本当につらく、早く抜け出したいという気持ちでいっぱいでした。

卒業旅行へ行けなかった残念さより、「これで研究室から出られる」という喜びの方が圧倒的に大きかったです。

当時は3月末まで実験が続くと思っていたため、そもそも卒業旅行を計画していませんでした。コロナ禍によって旅へ行けなくなったことよりも、無事に修了できたことに安堵していました。

研究室で得たものと失ったものについては、「ブラック研究室を修了した私が大学院で学んだこと|得たものより失ったものが大きかった」にまとめています。

ブラック研究室を修了した私が大学院で学んだこと|得たものより失ったものが大きかった
ブラック研究室で修士課程を修了した筆者が、大学院の研究室生活で学んだことを本音で解説します。専門知識、忍耐力、失った時間や健康、大学院進学の判断基準、逃げても人生は終わらない理由を実体験ベースで紹介します。

コロナ禍で社会人になり、定時で帰れる生活に驚いた

2020年4月、私は会社員として働き始めました。

例年とは違う状況での入社だったため、不安がなかったわけではありません。それでも私は、ようやく労働時間に一定の区切りがある生活へ移れることを期待していました。

実際に働き始めると、ほとんど定時で帰ることができました。夕食を食べ終えても19時頃で、就寝まで4時間以上あります。

学生時代は、その日のうちに帰れるのか不安に思うこともありました。それを考えると、夜に予定のない時間が残っているだけで、かなりの幸福を感じました。

私にとって、社会人になって一番うれしかったのは、肩書でも給料でもなく、自分の時間を取り戻せたことでした。

給料をもらえることに、必要以上に感動した

社会人になり、自分でお金を稼げるようになったことにも安心しました。

大学院では、長時間実験しても収入はありません。それどころか、授業料を払いながら研究を続ける立場でした。勉強に必要な本を買うことさえ、ためらうことがありました。

社会人になってからは、仕事をすれば給料を受け取れます。会社へ十分に貢献できている実感がない時期にも、給料日はやってきました。

今考えれば当たり前の仕組みですが、当時の私には信じられないことでした。大学院で消耗していた反動もあり、別の世界へ来たように感じていたのだと思います。

その後、奨学金の返済が始まってから感じた本音は、「奨学金は借りるべき?返済が始まった社会人がそれでも必要なら使うべきと思う理由」に残しています。

奨学金は借りるべき?返済が始まった社会人がそれでも必要なら使うべきと思う理由
奨学金は借金です。返済中の社会人として、正直返したくない本音もあります。それでも学生時代の自由な時間を守るために必要なら借りる選択もありだと思う理由を、実体験ベースで解説します。

必要性を感じにくかった交流が減り、少し安心した

コロナ禍では、人と直接会う機会も大きく減りました。

旅行先での一期一会までなくなってしまうのは寂しいです。一方で、歓迎会や忘年会など、本当に必要なのか疑問に感じていた交流が減ったことには、正直なところ安心しました。

それまで「大切だから参加するもの」と言われていた行事が、一斉になくなりました。それを見て、今まで必要だと思い込んでいたものの中には、なくても困らないものがあると気づきました。

私は人とのつながりをすべて否定したいわけではありません。ただ、自分の時間を差し出してまで続ける交流は、選んでもよいと思うようになりました。

時間とお金を得たのに、旅行には行けなかった

社会人になれば、学生の頃よりお金が増え、休日も確保しやすくなる。私は、これで旅行へ行けると思っていました。

ところが、社会人になったタイミングで外出しにくい状況になりました。

学生時代はお金がなく、研究室の予定もあり、自由に旅行できませんでした。ようやくお金と時間の条件がそろったと思った瞬間、今度は社会全体の事情で出かけられなくなりました。

お金、時間、社会の状況がすべてそろわなければ、やりたいことはできない。当たり前のことですが、2020年に強く実感しました。

この経験は、行けるときに旅へ行き、自分の体験として残したいという現在の考えにもつながっています。

自由時間が増えたのに、私は何もできなかった

2020年に一番後悔していたのは、増えた自由時間を有意義に使えなかったことです。

ブラック研究室から抜け、夜の時間を自分で使えるようになりました。それなのに、YouTubeを見ているうちに一日が終わることも多く、勉強やブログに思うように取り組めませんでした。

当時の私は、「せっかく時間を得たのだから、自己研磨に使わなければならない」と考えていました。行動できない自分を見て、実力のない人間だと落ち込んでもいました。

しかし、今振り返ると、あの時期は長い研究室生活で消耗した心と体を休ませていたのだと思います。

自由時間を得た直後から、すべてを成果に変えなくてもよかった。何もしない時間も、次へ進むために必要な休息だったのかもしれません。

2026年の今、2020年をどう見るか

2020年当時の私は、「2021年は自己研磨しなければならない」と考えていました。

若い頃は、向上心を持ち、勉強し、仕事で成長することが大切だと思っていました。しかし、社会人生活を続ける中で、考え方は少しずつ変わりました。

今は、収入を最大化することや出世することより、自由な時間と自分のペースを守りたいと感じています。

もちろん、お金が不要になったわけではありません。奨学金の返済もあり、お金が減る不安もあります。それでも、休日や一人で過ごす時間をすべて仕事へ差し出してまで、収入を増やしたいとは思いません。

2020年に定時で帰れる喜びを知ったことが、現在の「お金より自由時間を大切にしたい」という価値観の原点だったのだと思います。

奨学金返済と仕事を続ける中で、お金より自由時間を選びたいと思うようになった経緯は、別の記事で詳しく書いています。

奨学金返済のために馬車馬のように働いた私が、お金より自由時間を選びたい理由
奨学金が減らず、返済のためだけに働いているように感じていた独身社会人が、お金より自由時間を大切にしたいと思うまでを本音で紹介。鉄道旅、ポイント活用、旅ブログを通じて、自分の時間を取り戻す考え方をまとめます。

2020年は、立ち止まったのではなく回復していた年だった

2020年を一言で表すなら、私にとっては人生の転換点であり、休息の年でした。

大学院を修了し、ブラック研究室から抜け、社会人として働き始めました。定時で帰れること、給料を受け取れること、自分の夜を自分で使えることに、大きな安心を感じました。

一方で、旅行には行けず、自由時間をうまく使えず、自分の実力不足を責めていました。

しかし、2026年の今なら、あの時間を無駄だったとは言い切れません。

疲れ切った状態からすぐに走り出せなくても、人生は終わりません。休んだ後からでも、何度でもやり直せます。

2020年は、何もできなかった年ではありません。自分の時間を取り戻し、これから何を大切にして生きたいのかを考え始めた年でした。

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