受験生にとって夏休みは大事です。
ただ、私は「夏休みだから特別な勉強をしなければいけない」とは思っていません。
結論から言うと、大学受験の夏休みにやるべきことは、新しい参考書を増やすことではなく、今まで逃げてきた問題演習に戻ることです。
夏期講習をたくさん入れる、新しい問題集を買う、有名な参考書に手を出す。そういう行動をすると、勉強している気分にはなります。
でも、今まで学校の問題集をまともに解いていなかった人が、夏休みに急に難しい参考書を買っても、たぶん続きません。
少なくとも、昔の私はそうでした。
問題が解けないから、教科書を読む。先生の話を聞く。解説を眺める。それで「勉強した気分」になっていました。
でも、本当に足りなかったのは、問題を解く練習から逃げないことでした。
私が高3の夏休みに足りなかったのは「苦手分野の記録」だった
今振り返ると、高校3年生の夏休みに一番やっておけばよかったのは、苦手分野を紙やAIで記録することです。
当時の私は、苦手科目をかなり雑に見ていました。
「英語が苦手」
「国語が苦手」
「古文も漢文も嫌い」
このくらいの認識で止まっていました。
でも、本当はもっと細かく見るべきでした。
- 英語長文で時間が足りない
- 英単語を覚えていない
- 国語の本文を読むのが遅い
- 古文単語を避けている
- 漢文の句法を覚えきれていない
- 共通テスト形式になると時間配分が崩れる
「英語が苦手」ではなく、「英語長文を読む量が足りない」と分かっていれば、毎日1題英語長文を解くという具体策にたどり着けたと思います。
これはかなり大きいです。
苦手科目を克服しようと思っても、科目全体を見ていると重すぎます。
でも、苦手分野に分解すれば、今日やることが見えます。
たとえば英語長文なら、毎日1題解く。解けなかった理由を一言で残す。時間が足りないのか、単語が分からないのか、設問を読み違えたのかを記録する。
これだけでも、夏休みの勉強はかなり変わったと思います。
問題集や過去問を解いて終わりにしない考え方は、大学受験の問題集・過去問の使い方|赤ペンで丸写しせず自分の弱点を潰す方法でも詳しく書いています。

新しい参考書や夏期講習に飛びつく前に、学校の問題集へ戻る
夏休みになると、新しい参考書を買いたくなります。
本屋に行けば、良さそうな参考書がたくさん並んでいます。SNSを見ても、誰かがおすすめしている参考書が流れてきます。
ただ、今まで勉強できていなかった人ほど、まずは学校で使っている問題集に戻った方がいいです。
注意点として、新しい参考書を買うこと自体が悪いのではありません。問題は、今ある問題集をまともに解いていないのに、新しいものを買って満足することです。
学校の問題集は、すでに授業で見たことがある問題が多いはずです。
完全な初見ではありません。
「見たことあるかも」くらいの問題を、もう一度自力で解いて、「確実に解ける」に変えていく。
大学受験でまず必要なのは、この地味な作業です。
参考書を買いすぎる前に考えてほしいことは、大学受験の参考書は学校の問題集と過去問で十分|買いすぎる前に考えてほしいことでも書いています。

レベルの低い問題集こそ、夏休みには価値がある
「学校の問題集は簡単すぎる」
「もっと難しい問題を解いた方がいい」
こう考える人もいると思います。
でも、私はレベルの低い問題集を軽視しない方がいいと思っています。
大学受験で落としやすいのは、誰も解けない難問ではなく、本来なら取れるはずの基本問題です。
難しい問題を解ける人はかっこよく見えます。
でも、合格に近づくために大事なのは、基本問題を落とさないことです。
夏休みに基礎問題を解き直すのは、遠回りに見えます。
しかし、基礎がぐらついたまま応用問題に進んでも、結局どこかで止まります。
昔の私は、問題が解けないとすぐに解説や教科書に逃げていました。
もちろん、解説を読むことは必要です。
ただ、読むだけでは解けるようになりません。
失敗例として一番まずいのは、解けない問題を見つけたのに、解き直さずに「理解した気分」で終わることです。
定期試験でも提出物を終わらせるだけで満足していた反省は、定期試験の勉強法|提出物を終わらせるだけで実力がつかなかった私の失敗談にもつながります。

夏休みの勉強は「毎日少しでも触れる」が強い
夏休みは時間があります。
だからこそ、1日10時間勉強しようとして、数日で力尽きる人もいると思います。
私は、無理な計画よりも、毎日触れることを優先した方がいいと思っています。
結論として、1日だけ長時間やるより、短くても毎日続ける方が記憶に残りやすいです。
特に苦手科目は、数日空けるとすぐに嫌になります。
英語長文が苦手なら、毎日1題。
古文単語が苦手なら、毎日10個。
数学の計算が不安なら、毎日数問。
このくらいでもいいので、途切れさせないことが大事です。
私の場合、英語長文から逃げていたことが大きな反省です。
共通テストやセンター試験の国語と英語は、いつも時間が足りませんでした。
模試では、英語の大問1つ分を読まずに30点くらい捨てることもありました。
今なら、夏休みに英語長文を毎日1題解くと思います。
それも、ただ解くだけではなく、次のように記録します。
| 記録すること | 例 |
|---|---|
| かかった時間 | 目標15分、実際22分 |
| 間違えた理由 | 単語不足、設問読み違い、本文を読み飛ばした |
| 次に直すこと | 先に設問を見る、段落ごとに内容をメモする |
| 翌日の一言 | 昨日より2分短縮できた |
判断基準は、「勉強したか」ではなく、「次に何を直すかが分かったか」です。
全教科に触れる。ただし、苦手分野の優先順位はつける
夏休みは、得意科目だけをやりたくなります。
得意科目は解けるので楽しいです。
逆に、苦手科目だけをやろうとして、心が折れる人もいると思います。
どちらも危険です。
大学受験では、全教科で大きく崩れないことが大事です。
得意科目を放置すれば、得意だったはずの科目も鈍ります。
苦手科目だけに集中しすぎると、勉強自体が嫌になります。
私の本音としては、夏休みは全教科に触れつつ、苦手分野だけは毎日固定で入れるのが現実的だと思います。
たとえば、英語長文が苦手なら毎日1題。
それに加えて、数学、理科、社会、国語を日替わりで回す。
この方が、全体のバランスを崩しにくいです。
共通テスト対策だけに偏りすぎない。ただし新課程の確認は必要
夏休みから共通テスト対策だけに全振りする必要はないと思います。
共通テストはマーク式なので、選択肢から正解を選べてしまうことがあります。
そのため、マーク式で正解したからといって、本当に理解しているとは限りません。
注意点として、共通テスト対策は大事ですが、夏休みは記述式や自力で説明する勉強も残した方がいいです。
ただし、現在の共通テストは昔と同じではありません。
2025年度入試から新課程に対応し、情報Iが加わり、国語や数学などにも変更があります。
そのため、夏休みの段階で、自分が受ける科目、時間割、出題形式は確認しておくべきです。
特に情報Iは、国公立大学志望者の場合、受験が必要になるケースが多いです。
とはいえ、情報Iだけに時間をかけすぎるのも危険です。
まずは主要科目の基礎を固めつつ、新しい科目や出題形式を早めに確認しておくくらいが現実的です。
必要な人だけでいいですが、夏休みのどこかで共通テスト形式の問題を1回解いてみると、時間配分の弱点は見えやすくなります。
AIは答えを出す道具ではなく、苦手分野を記録する道具として使う
今の受験生は、AIを使える環境があります。
私は、受験勉強でAIを使うなら、答えを丸投げするより、苦手分野の記録や振り返りに使う方がいいと思います。
AI活用の判断基準は、「自分で考える量が減るか」ではなく、「次に自分が解くべき問題が明確になるか」です。
たとえば、英語長文を解いた後に、次のように記録します。
- 今日解いた長文のテーマ
- 時間が足りたか
- 間違えた問題番号
- 間違えた理由
- 明日直すこと
これをAIに整理してもらえば、苦手傾向が見えます。
「単語不足が多い」
「内容一致問題で落としている」
「設問の読み違いが多い」
こう分かれば、勉強はかなり具体的になります。
失敗例は、AIに解説を作らせて読んで満足することです。
それでは、昔の私が教科書を読んで満足していたのとあまり変わりません。
AIは便利ですが、最後に問題を解くのは自分です。
夏休みに新しいものを増やしすぎない
夏休みは、焦るほど新しいものを増やしたくなります。
参考書。
問題集。
文房具。
勉強アプリ。
予定表。
全部そろえると、強くなった気がします。
でも、選ぶものが増えるほど、迷いも増えます。
私の本音としては、受験勉強ではリソースを増やしすぎない方がいいです。
文房具も同じで、たくさん持つより、勝負鉛筆と消しゴムを決めて使い慣れた方が本番で迷いません。
受験用の文房具については、受験に勝つために必要な文房具4選|少数精鋭の筆記用具で本番の迷いを減らすでも詳しく書いています。

夏休みの勉強も同じです。
参考書を10冊そろえるより、学校の問題集を1冊決めて何周もする。
英語長文を毎日1題解く。
苦手分野を記録する。
これくらい絞った方が、続けやすいと思います。
学校の問題集を完璧にした後で、過去問に進む
学校の問題集をある程度やり込んだら、過去問を見る意味はあります。
志望校の問題を見ると、自分がどこまで届いているかが分かります。
ただし、過去問は買って安心するものではありません。
赤本は、持っているだけでは意味がなく、解いて現実を知るためのものです。
必要な人だけでいいですが、特定の大学に思い入れがあるなら、1年分だけでも解いてみるといいと思います。
たとえば、解けない問題が多くても落ち込む必要はありません。
むしろ、夏休みの段階で弱点が見つかるなら、それはかなり大きな収穫です。
夏休みで失敗しても、そこで終わりではない
夏休みを完璧に過ごせる人は少ないと思います。
計画通りに進まない日もあります。
寝すぎる日もあります。
やる気が出ない日もあります。
私自身、受験生の夏休みに苦手な英語長文や国語から逃げていました。
だから、偉そうに「毎日完璧にやれ」とは言えません。
でも、今ならこう思います。
夏休みで大事なのは、一度も失敗しないことではなく、失敗した理由を記録して、次の日に修正することです。
受験勉強は、失敗したら終わりではありません。
苦手分野を見つける。
解けなかった理由を残す。
次の日に少し直す。
これを繰り返せば、夏休みの途中からでも変えられます。
浪人についての本音や、失敗しても人生を立て直す考え方は、現役で志望校に落ちたら浪人すべきか?浪人経験者が反対する理由でも書いています。

まとめ:夏休みは、苦手から逃げない仕組みを作る
大学受験の夏休みにやるべきことは、派手なことではありません。
新しい参考書を大量に買うことでも、夏期講習を詰め込むことでもありません。
結論として、夏休みに一番大事なのは、学校の問題集を使い、苦手分野を記録し、逃げてきた問題演習に毎日戻ることです。
特に、昔の私に言うならこうです。
英語が苦手で終わらせるな。
英語長文を毎日1題解け。
国語が苦手で終わらせるな。
時間が足りない理由を記録しろ。
古文や漢文から逃げるな。
何を覚えていないのかを具体的に書け。
夏休みは、苦手科目を根性で克服する時期ではなく、苦手分野を見える化して、毎日少しずつ潰す時期です。
本番で特別な力を出す必要はありません。
夏休みに毎日やってきたことを、試験当日に普段通り出せれば十分です。
試験当日の過ごし方については、試験日当日は普段通りでいい|大学受験で平常心を保つための本音アドバイスでも詳しく書いています。

失敗しても、そこからやり直せます。
ただし、やり直すためには、何で失敗したのかを残す必要があります。
夏休みは、その記録を始めるにはちょうどいい時期です。



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