2019年は、私にとって学生生活最後の年でした。
就職活動や研究があり、自由に何度も旅行できる状況ではありませんでした。それでも「学生のうちに行ける場所へ行っておきたい」と思い、北海道、伊勢、姫路、広島、九州などを旅しました。
当時の私は、学生だからお金がないことばかり気にしていました。在来線の運賃すら高いと感じていたくらいです。
しかし、社会人になった今は少し違う見方をしています。
当時はお金がなかった。でも、今から振り返れば時間はありました。
特に研究室へ配属される前の大学3年生までに、もっと鈍行列車へ乗っておけばよかったと思います。当時の青春18きっぷを使い、行けるところまで在来線で旅する。そんな旅をもっと経験したかったです。
2019年の旅行を後悔しているわけではありません。行ったからこそ覚えている景色もあります。ただ、有名どころをできるだけ多く回ろうとして、急ぎすぎた旅もありました。
この記事では、学生最後の年に訪れた国内旅行先と、社会人になった今だから感じる「次に行くならこう旅したい」という本音を振り返ります。
2019年の私は、有名どころをできるだけ多く回ろうとしていた
当時の旅行計画では、限られた日数の中で有名な観光地をできるだけ多く回ることを優先していました。
せっかく遠くまで行くのだから、あそこにも行きたい。ここも外したくない。学生でお金に余裕がないからこそ、一度の旅行で多くの場所を見ておきたいと思っていたのだと思います。
その判断が完全に間違っていたとは思いません。有名な場所へ行ったからこそ、自分が何に心を動かされるのかも分かりました。
ただし、今振り返ると、「行った場所の数」を増やすことに意識が向きすぎて、その土地で過ごす時間を十分に楽しめていなかった旅もあります。
特にそう感じるのが、北海道と九州です。
北海道|5泊6日でも急いで回った感覚が残った

2019年9月末から10月初めにかけて、北海道を旅しました。
札幌、小樽、青い池、知床など、北海道の有名どころをできるだけ回りました。知床では本州とは違う景色を見ることができ、北海道まで来てよかったと思いました。
一方、北海道は想像していた以上に広く、目的地から次の目的地までの移動にも時間がかかります。
当時は「せっかく北海道へ来たのだから」と多くの場所を計画へ入れていました。しかし今なら、訪れる場所を少し減らしてでも、移動中の景色や途中の町をもっとゆっくり見たいです。
北海道を回れたことには満足しています。それでも、行けたからこそ「もっと急がずに旅をすればよかった」という気持ちが残っています。
2019年の北海道旅行で回った場所や当時の流れは、「9月の北海道を満喫!おすすめの観光スポットを紹介!!」にまとめています。

伊勢神宮|外宮から内宮まで歩いた時間は今の旅にもつながっている

平成最後の時期には、伊勢神宮を参拝しました。
近鉄の伊勢市駅から外宮へ向かい、その後は内宮まで歩きました。
外宮と内宮を効率よく移動するだけなら、バスなどを使う選択肢もあります。しかし、実際に歩いてみると、目的地だけではなく、その途中の時間も旅の一部になると感じました。
今の私は、鉄道の車窓や途中駅を楽しむ旅に魅力を感じています。その旅行観の原型は、伊勢で目的地と目的地の間を自分の足で歩いた経験にもあったのかもしれません。
早く着くことだけが、旅の正解ではありません。
外宮から内宮まで実際に歩いたときの様子は、「平成最後!徒歩で巡る伊勢神宮と赤福餅」で振り返っています。

姫路城・好古園|観光時間を短く見積もって慌ただしくなった

2019年には、兵庫県の姫路城と好古園も訪れました。
姫路城は、外から天守を見るだけなら、それほど時間はかからないと思っていました。しかし、実際には城内にも見る場所が多く、想定していた時間では足りませんでした。
以前から行ってみたかった場所へようやく行けたのに、時間を気にしながら回ることになったのは、少しもったいなかったと思います。
隣にある好古園も、時間がゆっくり進んでいるように感じる日本庭園でした。こういう場所ほど、次の予定を気にせず過ごす方が合っています。
有名な場所を一つ見れば終わりではなく、周辺を歩く時間まで含めて旅行時間を考えるべきでした。
姫路城を短時間で見ようとして慌ただしくなった体験は、「世界文化遺産『姫路城』観光するのに必要な時間は?」に残しています。

好古園でゆっくり過ごしたい人には、「姫路観光は姫路城だけではない、好古園もあります!!」も参考になると思います。

広島・宮島|行けることと、満足できることは違った

広島では、原爆ドームと宮島を訪れました。
原爆ドームは、知識として知っているのと、実際にその場へ立つのではまったく違いました。旅行中のほかの観光地とは違い、簡単に「楽しかった」とまとめられる場所ではありませんでした。
一方、宮島は人が多く、厳島神社をはじめ見どころもたくさんありました。しかし、当時の滞在時間は短く、急いで回ることになりました。
宮島へ行くこと自体はできました。しかし、満潮と干潮の両方を見たり、島でゆっくり過ごしたりする時間はありませんでした。
旅程上は「行けた」としても、自分が満足できるだけ向き合えたとは限りません。
これは、2019年の旅行で学んだ大きなことです。
名古屋から日帰りで広島へ行き、原爆ドームの静けさに圧倒された体験は、別の記事で改めて振り返っています。

今なら広島をどう回るかについては、「広島旅行で行ってよかった場所ランキング|日帰りで後悔した私が今ならこう回る」にまとめました。

九州|有名どころを回ることを優先しすぎた
九州では、福岡の太宰府天満宮、熊本城、鹿児島の桜島と仙巌園などを訪れました。
太宰府天満宮

学問の神様として知られる太宰府天満宮へ参拝しました。
当時の私は、特に受験を控えていたわけではありません。それでも、自分の頭が少しでもよくなるようにとお願いした記憶があります。
今振り返ると、参拝した事実は覚えていても、太宰府の町をゆっくり歩いた記憶はあまり残っていません。目的地だけを見て、次へ進む旅行になっていたのだと思います。
熊本城

熊本城では、熊本地震の影響が残る姿を見ました。
観光地として見に行っただけではありますが、今しか見られない姿を自分の目で見た経験として残っています。
また九州を旅する機会があれば、再び熊本城を訪れ、その後の姿を見たいです。
桜島・仙巌園

鹿児島では、桜島と仙巌園を訪れました。
桜島は、私にとって「鹿児島を代表する観光地」という印象でした。しかし実際に行くと、人が生活する場所でもありました。
観光地として名前だけを知っていた場所に、日常の暮らしがある。当たり前のことですが、現地へ行って初めて実感しました。
仙巌園から眺めた桜島も印象に残っています。
ただ、九州旅行全体では、有名どころを数多く回ることを優先していました。
今なら、鈍行列車から見える景色を楽しみ、途中の町でご当地グルメや地酒を味わいながら、急がずに九州を回りたいです。
学生時代はお金がなかった。でも時間はあった
学生時代の私は、旅行へ行けない理由として、いつもお金を考えていました。
新幹線や飛行機だけでなく、普通の在来線に乗ることさえ高く感じていました。できるだけ安く済ませたいと思うのは、当時の自分にとって自然なことでした。
だから「学生のうちに旅行すべき」と簡単に押し付けるつもりはありません。生活費や学費の負担があり、旅行へ使うお金を用意できない人もいます。
ただ、社会人になって初めて分かったこともあります。
お金はあとから増やせる可能性がありますが、学生時代のまとまった時間はあとから買い戻せません。
特に研究室へ配属される前の大学3年生までに、もっと鈍行旅をしておけばよかったと思います。
当時の青春18きっぷを使い、在来線を乗り継いで、着けるところまで行く。目的地だけでなく、移動そのものを旅行として楽しむ。
当時は在来線でも高いと思っていたので、その選択肢の価値に気づけませんでした。
もちろん、今になって後悔しても学生時代へ戻れるわけではありません。それでも、過去の旅行を振り返ったことで、これからの旅で何を大切にしたいのかは分かりました。
今なら、旅行先の数より移動中の時間を楽しみたい
2019年の私は、有名観光地をできるだけ多く回ることを優先していました。
今の私は、旅行先の数だけでは満足度を決めません。
- 鈍行列車の車窓をゆっくり見る
- 途中駅で降りる
- 地域の普通の街並みを見る
- ご当地グルメを急がずに味わう
- 地酒を飲んだあとは、その土地でゆっくり過ごす
こうした時間も含めて旅行だと思うようになりました。
速く移動し、多くの場所へ行く旅が悪いわけではありません。初めて訪れる地域なら、有名どころを一通り見たい気持ちも今でもあります。
ただし、有名だから予定へ入れるのではなく、自分がそこで何をしたいのかを考えて選びたいです。
遅い鉄道路線にも魅力があると感じた現在の旅行観は、「飯田線はやっぱり遅い。でも比較動画を見ると魅力まで分かる」にも表れています。

2019年の旅は失敗ではない。次の旅の基準になった
北海道や九州を急いで回ったこと、姫路城の観光時間を短く見積もったこと、宮島で十分な時間を取れなかったこと。
振り返れば、もっとよい回り方はあったと思います。
それでも、2019年の旅行を失敗だったとは思いません。
実際に行かなければ、北海道の広さも、姫路城に必要な時間も、宮島を2時間で回る慌ただしさも分かりませんでした。
行ったから後悔できたし、後悔したから次の旅で変えたいことが分かりました。
失敗しても、旅の仕方はやり直せます。
これからは、行った場所の数だけを増やすのではなく、鈍行の車窓、ご当地グルメ、地酒、その土地で何もせず過ごす時間まで含めて楽しみたいです。
学生時代にできなかった旅を悔やむだけで終わらせず、今の自分にできる旅を続けていこうと思います。



コメント